風太の★風の里日記★ その13
★これまでのあらすじ★
情に厚いが機械に疎い、独眼竜の竜魔がネット生活を開始、里のみんなにナイショでブログを始めたんだけど、とうとうオフ会が開催されちゃうかもしれないんだゾ☆
一般人に会うのが珍しい竜魔、服装とか髪型とか、そっから直さないといけないってことになったんダ!
「僕にこの生き物をどうしろっていうのさ」
麗羅がため息をつく。
「そこをなんとか」
「しょうがないなあ~。小龍の頼みだから聞いてあげるんだからね」
「おい!俺の頼みだったら聞かないのか!」
「きかないよ。竜魔ってセンス悪いんだもん」
あっさりと麗羅が切り捨てる。学ランの下に黄色いシャツを着てしまった日から、竜魔にセンスがあるとは誰も認めようとはしてくれない。
「ま、せっかく身長もあるんだしさ、顔だって、本当は隠す必要ないと僕は思うけど・・・気にしてんの?竜魔」
「う・・・うむ・・・」
「気にしているんだったら、かくしてあげるけどさ。シャツの裾はズボンに入れない!背筋伸ばす!・・・ったくしょうがないな~ちょっとおいで、見立ててあげるから」
そのまま炎屋敷に引きずられていった竜魔が見違えるような姿になって出てきたのは小1時間後だった。
「おお!よか男になったのう!」
「わあ、竜魔かっけー!」
「随分マシになったな」
「フッ。僕も風魔の麗羅。イモにも衣装ってね」
「こら。誰がイモだ」
「お前だよ、お・ま・え」
麗羅が自信ありげに請け負ったのも無理はない。すっかり今風のデザインの洋服をびしっと決めた竜魔は、なかなかの美丈夫っぷりだ。
「肩幅とかあるからね。イタリア製のスーツにしてみた。普通の人が来たらダサくなるとこだけど、竜魔くらいベタな顔立ちなら返ってハマると思ったんだよ。かっちり着るとヤクザみたいになるから、前ボタンは開けたまま、敢えてノーネクタイ。シャツは明るい色のカジュアルなデザインにしてみた。胸ポケットから少しハンカチ。靴下はシャツに合わせたけど、靴はサイズが合うのがなかったから、明るい茶色の革靴を自分で買うといいよ。ズックのままこの格好で出かけるような真似したら、屋敷ごとお仕置きで燃やすからね」
「へえ~、麗羅すっごい~」
小次郎が感心しきった声を上げる。
「ま、このくらいの格好なら、外に出しても恥ずかしくないだろ。目は気になるなら、このグラサンしていけば、一見ハリウッド風」
「おお~、本当じゃ!映画俳優かと思ったぞ!」
「すごいな、さっきの兄貴の凄まじいコーディネートとは雲泥の差だ」
「コーディネートは、こうでぃねえと、じゃな!」
劉鵬のダジャレは、その場に居合わせた全ての仲間から、黙殺されたのである。
さあ、準備万端、どうなる風太さん!
(up:20070102)
2007/01/12(Fri) 16:47
(未完)