風太の風の里日記 11

風太の★風の里日記★ その12

★これまでのあらすじ★
  里のみんなにナイショで始めた独眼竜の竜魔のブログが人気を呼び、とうとうオフ会が開催されちゃうかもしれないんだゾ☆竜魔もネットで知り合った(と、思いこんでいる)オン友に会いに行く決心をしちゃったゾ! 今、会いにいきます!


仕掛けたのは項羽である。

「やっぱさあ、普通の人の前だと、お前って怖がられるんじゃねえの?」
「ム」

少々気になっていたところだったので、項羽の言葉に竜魔が足を止める。

「俺たちは見慣れているからなんともないけど、もしそのまま一般の人と会うようなことがあったら、怖がられるんじゃないのかな…なんてな」
「・・・」
「あ、いや、気にしなくていいんだけどさ。俺たちが普通の人と会うことって、まずないもんな」
「…俺はやはり怖がられるだろうか」
「う~ん、あとアレだな、ファッションとかセンスとか、その黄色いシャツとかさ。…あれ、誰かに会う予定でもあるのか?竜魔」
 しらじらしい項羽だが、竜魔は必死なので、そのしらじらしさに気がつけないでいる。
「よっ、予定などない!予定など全くないが、俺も常識人として、普通というものがどんなものか知っておこうと思っただけだ!」
「ふう~ん。そうかそうか」
項羽が天使のような笑みを浮かべる。
「まあまあここじゃなんだから。ちょっとつきあえよ竜魔」

「ぶっ!」

まずは盛大に飲んでいるお茶を吹き出したのは小龍だ。
「お、俺、麗羅呼んでくるっ!」
小龍の制止をきかずに飛び出したのは勿論小次郎。

「ウム、変か?」
「へ、変というかなんというか…って、竜魔、それ何、変装?」
「うむ。」
「おかしくないよな?なあ小龍」
「兄貴の悪ふざけかよ」
「なにい!項羽はふざけていたのか!」
 
「え~?竜魔に似あうと思わねえ?」
「 に あ わ ん 」

 竜魔の片目を隠す為に長い付け毛をした上に不思議なアイビールック、シャツは几帳面にベルトの中に入れている姿は・・・姿は、言いたくはないが、アレだ・・・秋葉原にいるアレによく似ていたと、後に麗羅は村人に語ったという。

(20061117)



2006/12/17(Sun) 10:33